このブログは、HSP(過度に敏感な人々)やエンパス(共感しすぎる人)をテーマに書いていますが、このタイプの方の相談に多いのが、「人と打ち解けるのが苦手」というテーマです。
・雑談ができない。
・人の輪の中に入れない。
・1対1なら少しは話せるが、3人以上になると話せなくなる。
・話はできても相手と心を通じあった気がしない。
など、とにかく人とのコミュニケーションが苦手だと訴える方が多いのです。
そういうクライアントさんに対して、私はまず「誰でもいいので、普通に話せる人はいませんか?」と尋ねます。
すると、「それが…誰もいないんです…。」と返ってくるので、
「本当に誰もいないですか? 例えばお母さんはどうですか?」と聞いてみると、
「ああ、母とか兄とは普通に話しますよ。」とおっしゃいます。
お母さんとは冗談を言って笑いあったりすることもあると言うのです。
「他にも、この人となら比較的話せるという人はいませんか?」と振り返ってもらうと、相手によって多少の違いはあれど、何人かは話せる人がいることが分かって来ます。
つまり、この方は人と話せないわけでもなく、コミュニケーションが取れないわけでもなく、しっかりと話せる自分はいるのです。
ただ、ここぞという時に、話せる自分が出てこないというのが問題なのです。
整理してみましょう。
この方の悩みは正確に言うと。
☓ 人と話せない。
ではなく
◯ 話せる自分が出てこない時がある。
ということなのです。
あなたの中の複数のキャラクター
心理の世界をひもといてみると、あなたという存在は1人ではありません。
人の潜在意識の中には、実にさまざまな人格(キャラクター)が入っていて、その数は数十~数百と言われています。
あなたという存在はつまり、複数のキャラの寄せ集めなのです。
そのキャラクターのことを心理の世界では「パート」と言います。
オーケストラのパートを思い出していただくとわかりやすいですね。
バイオリンのパートもいればピアノもいる。チェロもフルートもいて、オーケストラの全てのパートがバランスを取って、1つの音楽を奏でます。
同じように、あなたという存在も、さまざまな場面で、さまざまなパートが出てきて、対応していますが、それらの対応、反応をひっくるめて、あなたの性格であり人間性なのです。
先生や上司の前では従順なパート。
家族の前では反抗期みたいに口の悪いパート。
仕事をしている時はキリキリと頭が回る仕事モードのパート。
友人の前ではおちゃらけたパート。
人の輪に入ると気後れして喋れなくなる引っ込み思案なパート。
珍しいところでは、外人を前にすると、英語で話すエセアメリカ人のような陽気でフランクなパート出てくることがあります。
これら全てをひっくるめて、あなたという性格が出来上がっているのです。
しかし、こんなにたくさんのキャラの寄せ集めであるはずのバリエーション豊かな自分を、どうして私たちは「人見知り」という限定されたレッテルによって、閉じ込めてしまうのでしょうか?
思い込みがセルフイメージを作る
人というものは、良い経験よりもネガティブでショッキングな出来事ほど強い印象を受けて記憶に残しやすいものです。
ですから、人と上手くしゃべれなかった経験があると、すぐに自分に対して「人見知り」や「引っ込み思案」といったレッテルを貼ってしまいがちです。
そして、そうやって、レッテルを張ってしまった途端に、人と気兼ねなく話せている他のパートの存在は忘れられ、「人見知り」がセルフイメージとなります。
セルフイメージができあがると、今度はセルフイメージに合った人見知り体験だけがどんどん印象に残っていき、それ以外の自然に楽しく話せた体験は盲点となって記憶に残らなくなってしまいます。
こうして、どんどん「自分は人見知りで、人と話せない。」という認識が強化され、人見知りが真実のように思えてくるわけです。
でも、よくよく振り返ってみると、盲点として印象に残っていないだけで、実は結構話せる自分も存在しています。
あなたはどうでしょうか?
ここで、少し時間を取って振り返ってみてください。
話が続かなかったり、人見知りモードな時もあれば、饒舌に話すモードもありませんか?
自分ではなかなか気づきにくいものですが、あなたの中にもいろんなキャラ(パート)が存在していて、さまざまな人とさまざまな関わり方をしているものです。
性格の問題ではなくキャラの問題にする
このように、自分というものを1人ではなく、複数の寄せ集めだとする捉え方は、とても便利であなたの助けになってくれます。
例えば、大学に入学して、新しいグループの中で人見知りして、話が続かなかった場合。
これまででしたら「またやってしまった…。私ってなんて面白くない人間なんだろう…。」と深刻に落ち込んでしまっていたかもしれません。
でもパートという考え方に馴染んでくると、
「あちゃ~。人見知りキャラが全開になってる…(^_^;)」と、自分に対してユーモアと距離を取って扱えるようになります。
つまり、問題は自分の性格ではなく、自分の中のキャラの発動タイミングの問題に変わるのです。
そして今後の対策も、大学の新しい友人グループに対して、
・自分のキャラを模索する。
・キャラを定める。
・キャラを育てる。
といった努力に変わっていくのです。
これまでに漠然と悩んでいた「暗い自分を変えなければ…」といった問題や、努力の方向性とは大違いです。
あなたの性格が暗いのか明るいのか、面白いのかつまらないのか、そういうことは決して一概には言えませんし、わかりません。
誰かの前では明るく面白かったこともあったでしょうし、他の誰かの前では暗くつまらなかったこともあったでしょう。
また無理に明るくなくても、「暗い面白さ」というものもあるかもしれません。
だから、一旦自分の性格についての悩みは脇に置いて、今の環境を楽しむのに役に立つキャラを育てることを意識してください。
そこに意識が向かい始めると、コミュニケーションに失敗しても、笑いながら軽い気持ちで違うチャレンジができたり、
バラエティー番組や周りの友人のやり取りを見て、いろんなキャラ設定を学ぶことができるようになります。
そしてある時、あなたのキャラがバシッと定まると、不思議なくらい楽に自分の口から言葉が溢れ出すことに驚くことでしょう。
コーチング
・明日からのあなたの日常を楽しいものにしてくれる力があるのは、あなたの中のどんなキャラクターでしょうか?
・そのキャラクターが完全に発動したとしたら、どんな風に人と関わり、どんな姿勢で、どんな表情で、どんなことを話していますか?
もうじき46歳女性です。子供と夫とは話せますが子供の友達ママさん達、職場の人達とはまるで緊張して話せません。遊びに来た子供のお友達とさえ頭が真っ白になり話せずお菓子と飲み物だけ出して別の部屋に逃げる私です。こんな性格なので友達はいません。職場も対人恐怖さやコミュニケーション低さを理由に私から辞めたり話せず孤立していくのでうつ病にもなり生活もあるため通院しながら働いては辞めた職場数は知れず、、薬の効果も無く、あなたがいると暗い雰囲気で困るの!とハッキリいわれた職場もあり、当然クビに。派遣契約途中で異例の打ち切りでした。頑固なまでに人と話せません。今は比較的高時給で環境良い職場なので今度こそ辞めないよう頑張りたいですが、目の前の席の人に何か話さないと、、また首に、、ビクビクしています。両横の人は黙々としているので話しかしさず済み救われています。やるべき仕事をやっているので、無事働いては3ヶ月経過しました。しかし何も話さない気まずさから、一週間に1度挨拶以上に一言二言を目の前のひと朝流しながら言葉を掛けていて反応はしてくださいますが、きっとこんな大変な思いで声掛けてるとは思われていないと思います。他にも同じチームの人達が離れた席にいる為、皆さんとうまく仕事する為にも話さないといけないと思っています。このサイトを見て、話せない自分のキャラクターを育てたいと思いました。性格を変えるより頑張れそうだと思いました。このサイトを作って頂き感謝してます。ありがとうございました。
なんかよくわかりませんでした。
自分の中のキャラを調整できないから、話せない。
何の解決にもなっていない。