みなさん、こんにちは。
カウンセリングやセミナーの準備に追われていまして、こちらのブログもすっかりご無沙汰になっておりました。
でも、HSP(過度に繊細な人)やエンパス、そして自己尊重(セルフ・エスティーム)の低さ、そういったことで生きづらさを感じていたり、悩んでいらっしゃる方がとても多いことは、日々のカウンセリング経験の中で実感しています。
そして、カウンセリングに来られる方というのはほんの一部で、その裏にはカウンセリングに行く勇気が無く、一人で悩んでネット調べて、なんとか自己解決しようと頑張ってらっしゃる人達がたくさんいらっしゃるのだと思います。
このブログはそういった人達に向けて、ゆっくりと丁寧に大切なことを伝えて行こうと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
それでは本題です。
前々回の記事で、HSP(過度に繊細な人)として生きていく上で必要な能力として、感情読解能力が大切だよ、というお話しをしました。
感情読解能力と言いましても、人の感情を読む能力ではありません。自分自身の微妙な感情の変化を正直に読み取る能力のことです。
自分が今、どんな感情を感じているかに気づく能力と言っても良いでしょう。
この能力が高まると、
日常的に感情の渦に巻き込まれやすいHSPでも、しっかりと自分の感情に気づい整理ができるようになり、自分を落ち着かせることができます。
そして、もう1つの利点としては、この熾烈な競争社会の中で、繊細なHSPがお金を稼いで食べていくための能力としても役立つのだと説明いたしました。
詳しくは繰り返しになりますので、こちらをお読みください。
では、どうやってこの感情読解能力を磨いていけば良いのか?
今日はその部分についてお話ししたいと思います。
感情とは何だろう?
はじめに、そもそも感情とは何であるかというお話しから進めて行きましょう。
怒り、悲しみ、喜び、罪悪感、虚しさ、感情にはいろんな種類がありますが、それら感情とは一体何なのでしょうか?
例えば怒りという感情について、考えてみましょう。
怒りという感情はいったい何なのでしょうか。どこに発生するどんな感覚なのでしょうか。
今、少し時間を取って、過去に感じたことのある怒りの感情を思い出して、それを感じてみてください。
はい。
面倒臭がらずに、
少し、
やってみてください。
…。
いかがでしたでしょうか。
怒りという感覚を感じようとすると、自然に自分のお腹や内臓に意識が向かったと思います。
そうなのです。
怒りという感情はお腹に発生するある種のエネルギーなのです。
「腹が立つ。」「はらわたが煮えくり返る。」「腹に据えかねる。」など、いろんな慣用表現が、
腹の感覚=怒り
と、表現していることからも分かりますね。
そのように、
怒り、虚しさ、恐れ、喪失感、悲しみ、喜び、焦燥感、罪悪感、といった全ての感情というものは、身体に発生したエネルギーなのです。
例えば、罪悪感はみぞおち辺りに発生したモヤモヤとしたエネルギー。
喪失感は胸のあたりがごっそりと抜け落ちたようなエネルギー。
という風に、全ての感情は身体感覚として感じ取れるものなのです。
ですので、感情読解能力を鍛えるとは、自分自身の腹のムカムカを感じ取る、身体感覚を鋭敏に磨いていくことに他ありません。
感情を感じるレッスン
それでは実際に感じてみましょう。
今、ご自分の
お腹
みぞおち
胸
のど
辺りに意識を向けてみましょう。
そして、そこに何かわだかまっていたり、モヤモヤと居心地の悪さを感じている感覚が無いかを探してください。
そしてそれをしっかりと意識で捉えて感じてみてください。
どこが、どんな感覚ですか?
モヤモヤ、ざわざわなど、言葉で表すとするとどんな言葉になりますか?
色があるとしたら何色をしていますか?
形があるとしたら?
重さがあるとしたら、重いですか軽いですか?
そうやって、感情感覚を特定して色や形として捉えていくと、どんどんはっきりとしてゆきます。
脳がその曖昧な感覚を具体的に認識し始めるのです。
そして、そうなっていくると、その感情は扱えるようになってきます。
その感覚は、意味や思いを持って存在していますが、その思いにはまだ言葉がついていません。
具体的な例で言うと、
モヤモヤとしていますが、まだ「友人の一言で、自分を軽く見られたように感じて納得行っていない。」という本当の気持、正確な言葉はまだ付いていない状態です。
だから、モヤモヤしたままなのです。
そこで、その感覚の本心に気づいて、モヤモヤに正確な言葉をつけてあげて、理解してあげると、そのモヤモヤは小さくなります。
感情が解消するのです。
ですので、ここで大切な質問は
「その感覚は今何を感じて、私に何を伝えようとしているの?」
という問いかけです。
「何を思ってるの?」「何を感じているの?」と何度も質問しながら、その身体感覚にしっかり意識を向けて、言葉を本心を引き出そうと集中してください。
そうすると、なんとなく、こういう気持ちだったんだと気付けるかもしれません。
はっきりとした言葉としては分からないけど、なんとなく、それが怒りだったのか違和感だったのか、悔しさなのか、感情の種類はわかるかもしれません。
この身体感覚の声に気づいて言語化できる能力。
それが感情読解能力です。
何か小さな違和感を感じる度に、こういったワークを重ねることで、感情読解能力は磨かれていきます。
逆に、身体感覚に意識を向けずに、頭だけで考えを整理していると、この能力は永遠に磨かれず、
「頭ではわかってるんだけど、なんかモヤモヤしている。」という状態から抜け出せなくなります。
以上、長々とご説明してきましたが、今体験していただいたワークはフォーカシングと呼ばれる心理療法の1つです。
フォーカシング
ユージン・ジェンドリンにより開発された、心の実感に触れることで、変容を及ぼす心理療法。
HSP特有の生きづらさを克服していきたい方は、是非、フォーカシングの本を読んで、今やったようなワークを深めていってください。
これを行なっていくことで、感情読解能力が育ち、生きる上で、自分の感情と付き合っていく上で、一生もののスキルが手に入りことを私が保証します。
まず、あなたの身体の声(感情感覚)と仲良くなることが、HSPであるあなたがこの時代を生き抜く上での、最初の一歩なのです。
自宅で音声誘導を聞きながらフォーカシングのトレーニングができるように、プログラムを開発しました。
HSPに必要な心理スキルを修得する。HSPセラピープログラムはこちら
以下はフォーカシングに関してのオススメの本をご紹介いたします。
まずは、もっとも売れているフォーカシングの代表作。
「やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方」
アン・ワイザー コーネル (著)
フォーカシングそれはカール・ロジャーズの流れに立ち、うまくいったカウンセリングのエッセンスを集約した方法。心でも身体でもない“あいまいな実感”を手がかりに、こころのメッセージを聴いていく静かで穏やかなセルフヘルプ法あらゆる癒しの基本的技能。
もっと気楽に学びたい方はこちらがオススメ。
「マンガで学ぶフォーカシング入門―からだをとおして自分の気持ちに気づく方法 」
福盛 英明 (著), 森川 友子 (著), 村山 正治 (監修)
「フォーカシングって何?」 フォーカシングをまったく知らない人にもわかるように、マンガやイラストを駆使してやさしく解説した入門書。フォーカシングのやり方を具体的に紹介。
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