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人生と仲良くなる

昔、なんとなくテレビを見ていたら、アンパンマンの作者のやなせたかしさんの創作現場のドキュメンタリー番組をやっていたのですが、

そこでのやなせさんの言葉を今でも強烈に覚えています。

そして大切にしています。

やなせさんは漫画を描く姿を見せてくれながら、こう話していました。

『ストーリーが行き詰まったら、背景を丁寧に描き込みながら、次の流れが来るのを待つんです。』

まさにこれ!! と、私は膝を叩きたくなりました。

これがまさに物語を進めるコツであり、人生を進めるコツでもあります。

以前、子育てブログに、子供の添い寝の時に話した即興のお話しを書いたら、思いのほか大きな反響を頂いて、「どうしてそんな物語が浮かぶのですか?」と尋ねられたのですが、

物語を考えているわけではないんですね。

ひとまず話し始めてみて、行き詰まったら、そのシーンを丁寧に描写したり、主人公の気持ちを活き活きと表現して、

物語の「今ここ」の空気を感じながら、物語がどこに流れて行こうとしているのかをただ感じているのです。

そして、新しい力を感じ取ったら抵抗せずにその流れに乗って行く。

その先にどんな物語が展開するのかを自分でも楽しみにしながら、流れに乗って行く。

そうすると、思いもよらない物語が展開していく。

これは人生にも言えることです。

人生も気付けば始まっています。

物心ついて、ふと周りを見渡すと既に家族に属していて、小学校に通っていて、人間関係はできてるし、自分のキャラクターも容姿も得手不得手も、ポジショニングもできてしまっている。

物語は既に始まっているのです。

あれ? 自分はそんなこと決めたっけ?と思っても仕方がありません。

でも、丁寧に背景を描くように、与えられた環境を味わいながら、できることを丁寧に楽しみながら、人生が自分をどこに導こうとしているのか、全身全霊で感じてみると、流れを感じ取ることができます。

カウンセラーという仕事柄、とても沢山の方の人生を見せていただくのですが、

人生に歪みが無く、家庭も仕事も外側も内側も調和した人生を行きている人というのは、決まってこれをやっています。

つまり『我』の力で人生を無理やり引っ張って推し進める(頑張る)のではなく、

頭であれやこれやと人生設計をするのではなく(それもある程度は必要ですが)

今、最も興味があることに丁寧に取り組むことを通じて、人生が自分をどこに導こうとしているのか、その流れを感じ取ろうとしている。

そして流れが来たら、それに素直に乗って行く。

それは時に、自分の力ではとても乗りこなせないような、荷が重い流れかもしれません。

でも、それでも自分に来た流れだから…と、その役割を受け入れて誠実に応えようとする。

愚痴を言わずに運命を受け入れる。

その意味では、頑張ることを厭わない。

そうしていると、現実に揉まれ、やがては実力が伴い、気付けばその人の計算や計画では及びもつかないつかないような場所に引き上げられている。

それでいて、周りとも自分自身とも調和のとれた人生になっている。

『ストーリーが行き詰まったら、背景を丁寧に描き込みながら、次の流れが来るのを待つんです。』

その流れ。

導きの力。

それは常に働いています。

老子はそれを『タオ』と呼びました。

心理療法家のアーノルド・ミンデルはそれを『プロセスマインド』と呼びました。

ある人は『神の導き』と呼ぶでしょうし、またある人はシンプルにそれを『流れ』と呼ぶかもしれません。

どれも同じことで、その流れは遙か昔からずっとありますし、決して無くなることはありません。

今これを読んでいるあなたにも、身体感覚を通じてそれは訴えかけています。

感覚に心を開いて、身体はどこに動こうとしているのか、イマジネーションがどこに広がろうとしているのかを感じ取ろうとすると、タオの流れを感じることができます。

そしてその流れを無理に押し殺そうとすると、『症状』となって表れます。

腰の痛みとなったり、うつ症状となったり、無気力になったり、貧乏ゆすりとなったり、不思議な夢として現れたり。

つまり、病や症状や悩みを作り出しているエネルギーは、元々はその人の人生を推し進める力だったのです。

セラピーではその流れを感じ取り、流れに対する抵抗を解消することで、病を作っているエネルギーを人生を創るエネルギーに戻していくお手伝いをしています。

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昔々の話ですが、

20代の頃の私は、穏やかに好きな仕事をして生きている人に出会う度に、

「どうやって今のような人生に行き着いたんですか?」と尋ねていました。

羨ましかったのですね。

自分もそんな風に生きられるように、何か手がかりが欲しかった。

でも、そんな人達の答えは決まってこんな感じでした。

「いや〜、ちょっと良くわからないんだけどね。なんか気付いたらこうなってたんだよね。」

私は最初それを謙遜や照れのようなものと受け取っていました。

でも、違うのですね。今では分かります。

あの答えこそが人生と仲良くやっている人達の共通のメンタリティなのですね。

人生はコントロールすることよりも、抵抗せずに仲良くなることの方がずっと大切なようです。

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セルフワークで日々のメンテナンスに浸かっていただきたいのですが、今日の記事で言うと、「流れ」を感じ取る身体の感性を高めるのはフォーカシングですね。

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1 Comment

ゆきこ

身体の不調は、本来は、押し進める力…
身体の不調と心の悲鳴を治したくて 丁寧に丁寧に過去にさかのぼって思い出したら 何回も何回も同じ事を繰り返している自分にたどり着きました。
私は、人の愚痴をあまりにも真剣にとらえすぎる時があって 人が何気にいっている愚痴を『~しなさい。』と自分に言われているように感じてしまうのです。
たとえば、 義理姉が兄のことを悪く言うと 兄に義理姉に優しくしてあげてって言わなきゃ。
たとえば、 母が、古くなった家をみて『瓦が台風で飛ばないか不安。』と、言う言葉を聞いたら 早く家を建ててあげたい。
たとえば、親戚のおじさんが『旦那の出世は、嫁しだい。』と、言うと 私がしっかりしなきゃ。
そのたびに、自分に自分でプレッシャーをかけて。
バカですよねぇ。
人の言葉と感情にあまりにも流されて 自分と他人との境界線にほんろうされてました。
愚痴る人ほど 要領よくやってるんですよねぇ。
丁寧に背景を書き込む作業、ほんと、大切ですね。
いらない感情は、いらなくて 理性と知性でいかなくっちゃ。

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